RVの旅第2回:レンタカーを借りるまで
この記事は、El Monte RVでの体験談を元に執筆しています。各レンタカー会社、そしてレンタルする車種によっても手順が全く違いますので、あくまで体験談としてお楽しみ下さい! *2019年1月のお話です RVカーのチェックイン RVカーは必ず事前予約をしてください。当日では、在庫がない、あるいは準備にとても時間がかかる可能性があります。予約日のチェックイン時間はホテルのように決まっていて、13時から15時まで。またチェックインでは、①「RVの使い方」のビデオを見たり、②契約書にサインしたり、③実際にレンタルする車両のダメージチェックと使い方の説明を受けたりと、トータルで1時間半〜2時間を要します。出発する頃にはすっかり夕方ですので、この夜は壮大な計画は建てず、近場で明るいうちにキャンプサイトに着くことをおすすめします。 まずは動画 チェックインでは、まずはじめに20分程度の動画によるRVカーの使い方の説明を受けます。動画では主に、車内での電気・ガス・水の使い方、排水処理の方法、運転時の注意事項、キャンプサイトでの注意事項などを一気に説明されます。色々な情報がどんどん入ってくるので、はっきり言ってこの動画では全てを覚えることはできません。ただ色々と気にすることがあるということだけは理解できます。もし数名で動画を見る場合は、電気担当、水担当、排水担当などそれぞれに役割を決めて、自分の担当部分を集中的に記憶すると良いかもしれません。 この動画でほとんど何も頭に残らなくても、その後に実際の車両でもう一度同じ説明をしてもらえるので大丈夫。また動画の車両と実際に借りる車両では、車種も違えば、機材の位置や手順も全く違いますので、実際の車両での説明の方がずっと重要です。それでも、知識ゼロの状態で車両で説明を受けるよりは、動画で前知識を少しでも入れておいた方が、2回目の説明の際の情報吸収力が違います。 契約書にサイン 契約は主に保険の説明、車両を破損してしまった場合の説明など、普通のレンタカーとほぼ同じ手順です。違うのは、保険でカバーされない部分があるということ。それは車両の天井部と底部。車両の天井に外付けされているクーラーや換気扇などの部品を破損した場合には、保険が適用されません(レンタカー会社や契約場所によって保険の内容が違うので要確認)。同様に車両の底部のウォーターパイプなどを破損した場合も、保険が適用されません(会社、保険による)。大きな車ですので、街中では意外と天井スレスレのところがあります。立体駐車場には絶対パーキングしない、空港などのゲートがありそうなところは高さ表示を確認するなど注意が必要。また車の底部も同様に、長い車なので意外と擦ります。ガソリンスタンドやウォルマートなどの駐車場の入り口にも直角に入るのではなく、斜めにゆっくりと入るようにしないと、ガリガリガリっと擦ります。RVカーはそういうダメージはある程度想定されいますので、ちょっとやそっとでは壊れませんが、あまり強くぶつけすぎないように、駐車場の入口などは特に気をつけてください。 また冬季にパイプの水が凍結するような気温0℃以下のエリアに行く場合、パイプの水を空っぽにして凍結破損を防ぐウィンタライゼーション(Winterlization)という作業が必要になります。これは事前に用意をしてもらわないと、当日の準備には3時間ほどかかるようです。以前、冬にラスベガスでRVカーを借りた時は、このウインタライゼーションについて全く知らず、チェックインの際に、ウインタライゼーションの準備は翌日まで出来ないと言われました。また丁度その日からグランドサークルに大寒波が来るという予報で、確実に氷点下という日でした。そこで旅の予定を変更し、比較的暖かいデスバレー方面へ行きました。それでも気温は0℃程度。車内の暖房をつけっぱなしにして、水のヒートをONにしたままで、ギリギリパイプが凍結しない温度です。グランドサークルはマイナス10℃前後でしたから、こっちに行ってたら水が凍ってパイプが破裂してたかも。このパイプの凍結破損も保険が適用されませんので、十分注意して下さい。 そしてもう1点普通のレンタカーと違う点は、走行するマイル分を事前に支払います。500マイル単位で買うことができます。その購入マイルを超えた場合は1マイルにつき35セント(契約場所、季節で条件が違う)の追加料金が発生します。ですので、事前にある程度行程の計画を建てて走行距離を計算しておくことをオススメします。 車のチェック いよいよ一緒に旅をするRV車とのご対面。第一印象は「え!?こんなに大きくて運転大丈夫??」という感じ。バスタイプの超大型車でも、普通免許や国際免許でレンタル可能です。実にアメリカらしい。貸すのは貸す、壊したら保険がカバー、あとは「Good Luck!!」です。 まずは担当者と一緒に、ボディーのダメージチェックから。大きい車両ですので、色々なところにキズやへこみがあります。それを担当者と一緒に細かくチェックして必ず全てリポートして下さい。ここでリポートせずレンタル後に気がつくと、その分の責任はこちらに課せられる可能性もあります。特に注意するのはミラー、フロントガラスなどのヒビ割れ。意外と気がつかず、いざ出発してから実は割れていたということがあります。そして、車に登らないと見えない車両上部もチェックして下さい。チェックインでは入念にチェックする一方で、リターンの時はササッとチェックするだけ。そもそもキャンピングカーは山の中や森の中などにも行くもの。多少のキズやヘコみは、リターンの際も特に気にしません。 次にとても大事な車外の機能のチェックと説明。車外にあるのは、主に①水関係の機能、②発電機、③LPガスタンク、④ストレージの4つです。 水関係には、水を車内タンクに補給するジャック、水道水を直接車内に取り込むジャック、そして排水を処理するためのパイプの3つがあります。車内タンクの水は、車が水道につながっていない時に使います。例えば、移動中にトイレを流す水や、駐車場でキッチンを使うときの水など。この水がある限り、どこでも自由にトイレ、キッチン、シャワーを使うことが出来ます。一方キャンプサイトでは、水道水を直接車内に取り込んで使います。この場合はCity Waterというジャックと外の水道をホースでつなぎます。 使用した水は全て車内底部の排水タンクに溜まります。排水には、キッチンやシャワーなどのグレイウォーターと、トイレのブラックウォーターの2種類があり、それぞれにタンクがあります。排水口は一つで、まずはホースを排水口に繋ぎ、他方を外に設置されてある下水口に差し込みます。そしてはじめにトイレのブラックウォーターを開け、下水に流し込みます。次にグレイウォーターを開け、残ったトイレウォーターと一緒に下水に流し込みます。最後に、タンク内を洗浄するためのジャックにホースを繋ぎ水道水を流し込みます。あとは全てきちんとフタをして下水処理完了です。作業は、想像しているよりも臭くもないし、下水処理の場所も清潔です。下水口は、キャンプサイトであれば自分のサイトに、または入り口に共用のものがあります。ほんとに地面にポコっとフタのついたただの穴です。これで臭くないのが不思議なぐらい。それ以外の場所では、時々道沿いに「RV Dump Station」という表記があったり、ほぼ全てのキャンプ場で、泊まらなくても排水だけを有料で受け付けているところもあります。排水だけであれば$10〜$20程度。 次に発電機。これはガソリンで動きます。ガソリンスタンドで車用に補給するガソリンをそのまま使用しますので、発電機に関しては、トラブルが無い限り特に触る必要がありません。発電機のスイッチは車内にあります。 LPガスも装備されており、ガスコンロの他、車内の暖房に使ったり、水をヒートするために使います。こちらもトラブルがない限り特に触る必要はなく、ガソリンスタンドで充填が可能です。スタンドの係の人が作業をしてくれますので、何も心配はいりません。 そして、ストレージ。この容量は車種にもよりますが、人数分のスーツケース、ベビーカー、自転車などが入るぐらい大容量ですので、収納に困るということは無いと思います。またきちんと鍵もかかりますので、盗まれたり、走行中に落としたりという心配もありません。 そしてお待ちかね、いよいよ車内へ!入り口は車体中央部の玄関1箇所のみ。車種によっては、運転席へもこの玄関からアクセスします。1台1台カスタムメイクなんじゃないかと思うほど車内の内装や設備の位置は様々。まずは入ってすぐにリビングキッチン。ダイニングテーブルは、降下してベッドにもなります。ソファーも伸ばしてきちんとしたソファーベッドになります。運転席上部にも可動式の立派なクイーンベッド。キッチンスペースには冷蔵庫、ガスコンロ、オーブン、電子レンジなどが揃っています。その奥に、バスルーム、2段ベッド、そしてクイーンベッドが入ったマスターベッドルームと続きます。至るところに収納がありますので、人数分のスーツケースの中身は全て、車内のタンスや棚に収納することが可能です。 車体中央部にはメインコントロールパネルがあります。居住スペースの状況はここでコントロールします。まず各種タンクの容量を確認するメーター。LPガスの有無、水の有無、グレイウォーターとブラックウォーターのタンクの満タン状況などが確認できます。特に排水タンクは2日ほどで満タンになりますので、その都度下水処理をする必要があります。その他、発電機のスイッチ、エアコンのスイッチ、水をヒートするスイッチなどが揃っています。 チェックインの際担当者は、これらを全て丁寧に説明してくれますが、1回の説明ではなかなかピンとこないかもしれません。ですので、説明は必ず数名で聞き、動画も撮っておきましょう。慣れてしまえば、トラブル時以外、特別難しいことはありません。
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